「ねえ ねえ オセロやろう?」

晩御飯を食べている僕にしんが寄って来た。

「いいよ。でも優ちゃんは小4の時にお父さんに勝ったけど大丈夫かね?」
(しんは今、小3)

「ダイジョウブ!お父さん黒でぇ」 「いいよ」

で始まった 真剣勝負。

どんどん黒に染まっていく碁盤・・・。

しんの追い詰められた苦しさと、歯がゆさを感じながら 妥協しない僕の一手。

数個のオセロを残し勝負あり。

しんは 悔し涙を目にイッパイ溜めて 堪えている。

「男同士の真剣勝負やき、手は抜かんきね。今度はお父さんを負かす様に頑張りよ」

しんは 黙ったまま目を合わさない。

経験から 男は 悔し涙を堪えた数ほど いい成長ができると思っている。

何度も蹴落とされ 何度も這い上がる事で 強固な精神力優しさを自分のものにできる思っている。

 

ここで 負けてあげるのもありかと 迷ったけれど

自分の息子の『力』を信じて あえて 厳しい詰め。

 

一緒に釣りをしている時でも 僕が勝つと しんは よく 悔し涙を堪えている。

 男には この 「カンキ」 が 絶対必要だと思っている。

父親の僕を本当にライバル(対等)と思っているゆえに 出る悔し涙・・・。

僕はそれでいいと思っているし そう接してきた。 

 

越えさせなければならない壁、越えて欲しい壁、

そして どんな時でも信頼できる壁としての存在にならなければいけないと

私自身 再度自覚した事でした。

父親として・・・男同士として・・・。

 

 しんたろう オセロゲームにて 2008年 初悔し涙。 

 

でも ここ最近 しんに一番伝えているのは

「デートの仕方!」

先ずは 食事代の支払方から(笑)

 

おわり。

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