イメージし難いとは思いますが

本当に真っ暗でライトを点けても霧が邪魔をして本当に2〜3m先しか見えないので

時折有る橋の外灯もすごく近くまでこないと見えず、

しかも

それが右舷なのか左舷なのかを判別するのにも少々時間を要するような状況にあった。

もちろん、肉眼では上流も下流も分からないし、

岸もぶつかる寸前まで気が付かないといった具合だ。しかも 超不気味な雰囲気の中・・・。

今回これがないとマジで「湖上お泊り」になっていた。


GPSである。しかもWAAS DGPSアンテナを装備していたいのでなんとか無事に帰還することができたと言える。


たとえ知り得た早明浦ダムでも真っ暗闇でしかも霧の中という状況でしっかりと前に進むのはかなり難しいものなのである。


というかGPSがないと無理だろう。目隠しをして操船しているようなものだ。


さらに流木を避けながらの航行となると もっと難易度が増してくる。

この時点で

 ボートにキズが入る事より

無事 早く到着したい気持ちの方がはるかに上回っていた。


基本的にはGPSメインで進んでいくのだが どうしても多少の時間差があるので、

コンパスを併用しながら五感をすましながら

アイドリング状態でモニターの航跡を確かめながら

本当に前方に進んでいる事を確認しながらの航行しかなかった。

しかし、

襲いかかって来る様々な恐怖感と孤独感の中、

現実の自船の位置、進行方位とGPSモニター上のそれらとをシンクロさせるのは

想像以上に難しく

一度張り詰めた緊張を失うとすぐに頭がこんがらがり

本当に「前方」が分からなくなってしまい、何度となく進行方向を見失い、

同じ所を回っていたり、いきなり岩盤が迫ってきたりした。

その度に

深く深呼吸をしたり、声を出して気合を入れたりと

自分を信じる力を強めて平常心を保つようにした。

まっすぐ進むのがそんなに大変?と思われるだろうが

それは初めてミラーだけでトレーラーでバックするより大変で

 しかも

流木を避けながらとなるとコースがずれるので

頭の中はかなり厳戒態勢なのである。

 

E 灯台の明かり

 
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